【LEG1 SS1】は 199.13km。かなり長めの設定。前半は比較的平坦な農道だが、ロックとギャップというより大きな V 字型な穴の連続。 ほぼ中間の PC サービスまで戻ってきた時は、フロント部分が押し出された感じでフロント右タイヤ側面が損傷されていて交換。 果敢な走りとコ・ドライバーのナビもほぼ完璧でタイムはかなり良い。 しかし、サービスタイムはものの 5分程度。メカ人数が(CTS 後藤チーフメカ+昨年チームのコ・ドライバーのPOND選手のスタッフ二人) 圧倒的に少なく、 まだフォーメーションも最初ということで慣れていない中、タイヤ交換などに手惑い給油が整わない中後半スタート。 終盤の沼地で#130(番場,藤田組)がスタック。自車もスタックと他車の救出などで大幅ロス。何とか抜け出したものの燃料エンプティであえなくコースエスケープを選択。 それにより10時間のペナルティを受けクラス 5位でフィニッシュした。 他チームもこの沼地では苦しめられ、44台中13台のマシンが 10時間以上のペナルティを受けるという AXCRの過酷さを物語る LEG1 となった。
【LEG2】はカオヤイ国立公園のナコーンラーチャシーマーに至る 500km(SS177.85 km)の行程。岩だらけのロックセクション。 ダブルやトリプルコーションの岩や溝が多く、起伏のある斜面が延々と続いて行く。 そんな中、山崎元彰 中田昌美 組は本領を発揮し、ミスコースなく果敢な走りをみせ、クラストップタイムでフィニッシュ。 サービスメカチームも迅速にサービス対応をみせクラス 4位に上がる。
【LEG3】もカオヤイ国立公園周辺の山岳コース。ここで、チーム最大の危機が訪れる。。。 前半PCまでは前日に続いて果敢な走りで走破。サービスを終え、後半スタート直後、車両が突然大きくガタガタとふらつきアンコントロールになり、 そのまま回転しコース脇になんとか止まるも、フロント右足周りが完全に走行不能のように曲がるトラブル。 後半 PC スタート直後だったためすぐにサービス隊が迂回してコース進入。 2メカがチェックすると右ピロボールジョイントの破損が判明。その他アーム類やドブイブシャフトも破損。 当然コースエスケープを選択したが、ホテルサービスに戻ってもとても修復困難と判断。 結局バンコクの POND選手などとやり取りして、レッカーを手配し車両とドラシャやアーム類など交換部品と別々にバンコクに輸送して修理することになった。 これが後半の山岳地帯だったり、また破損付近の池に脱落していたらと思うともうどうにもできない状態だったため、まだ救いだといえる。 また LEG4とLEG6は、カンボジア国境近くを走るため紛争の余波が残りコースキャンセルのため整備時間もでき幸いした。
【LEG4】は各チーム整備 Day となる中、ラリーPRADO は夜にやっと Prachinburi ホテルサービスに到着。 そこからメカが深夜まで最終のチエック。無事 LEG5 を迎えることができた。
【LEG5】は199.13kmのSS1とほぼ同じルート。経験を活かし快調に前の車両をパスしていく。 しかし後半若干のミスコースに加えて、エンジンがストールしパワーとスピードがてない状況で何とかフィニッシュ。 それでもクラス 2位のタイムでゴールを果たした。
【LEG6】もコースキャンセルのため整備 day に。エンジストールの原因をまず究明。当初はエアフローやエアフィルター、ラジエーターなど大量に詰まった赤土と判断し、 洗浄や交換をすもののコンピュータ診断では正常値が出るが症状が改善しない。 燃焼に問題ありと判断しプラグ交換を選択。なんと現地調達深夜に症状が改善し、クルー,メカ,チーム員がやっと深夜に安堵することができ、LEG7 の朝を迎えた。
【LEG7 SS7】、164.90km。序盤はタイ最大規模のユーカリ林の中、前日来の雨の影響でマッディ路面。 しかし山崎元彰 中田昌美 組はミスコースなく果敢な走りで、2 度目のクラストップタイムでフィニッシュ。 後半ここにきてやっと車両の不安もなくなり、中田昌美選手の的確なナビと山崎元彰選手の怒涛の走り、サービス隊の機敏な動きとチーム一丸の走りが好機を呼ぶ。
【LEG8 SS8】は、湖畔沿いをなぞる赤土のフラットダート 69km。 もうここで順位はそう変わることはないとチームは判断し抑えながら走破。最後の最後でクラッシュする車両も出ている中、クラス 4 位のタイムでフ無事フィニッシュ。 そして、簡易な洗車後 Bali Hal Pier PATTYA(象徴的な PATTYA モニュメントのがある港)で歓喜のセレモニアルゴールを迎えた。
夜はパーティーと表彰式。4 位のトロフィーも授与されました。 結界的にクラス 4 台以外はことごとくクラッシュやトラブルに見舞われ、完全完走を果たしたのはこの 4位までの 4台となりその過酷なラリーでフィニッシュを迎えられました。 T1Gクラス 1 位は、絶えず安定した走りを見せた INDONESIA RALLY TEAM(一度もトップタイム無し)、2 位は Showa garage racing、3位は常連の garage monchi。 総合順位は、1 位(総合優勝) Team MITSUBISHI RALLIART が奪還。2 位は TOYOTA GAZOO RACING THAILAND 3 位 Feeliq Innovation Motorsport 4 位 ISUZU SUPHAN YOKOHA 5 位 Team MITSUBISHI RALLIART (田口/保井 組) 哀川翔総監督「完走おめでとう。自分も選手として経験しましたが(2011,2012,2018)アジアンラリーは本当に過酷です。 今年も色々トラブルがありながらよく頑張ってくれたと思います。ご支援応援ありがとうございました!」
山崎 元彰選手 「我慢の連続となったAXCR2025でした。前半で心が折れそうになりましたが、気持ちを立て直し、なんとかフィニッシュ。 全日本でも活躍するコドラ中田昌美さんは、ほぼミスなく、また僕の気持ちが行きすぎないよう完璧にコントロールしてくれました。 マシンは安定した性能を示し、大きな苦痛なく走り切ることができました。近年、AXCR参加車両や選手のポテンシャルは格段に上がっています。 そのなかで勝つために必要なことも見えたラリーでした。困難や不運に直面しても心を折らずに前へ進み続ける——そんな姿勢をチームで学んだAXCR2025。 ドライバーとして総合順位はこれまでで最も厳しい経験となりましたが、多くの学びとクラス4位のトロフィーを持ち帰ることができました。」
中田昌美選手「おつかれさまでした!10年ぶりの参加で正直不安いっぱいでしたが、昔からの仲間や、 チームのみなさん、山崎さんに支えられてなんとかフィニッシュすることができました。皆様ありがとうございました。 今回は、コースキャンセルdayやシッピングdayで少しタイを感じられました!!」
2025スケジュール (予定)
・4月19日-20日 TGRラリーチャレンジ 八ヶ岳茅野 [哀川翔/中谷篤] Result:DNS
・5月10日-11日 TGRラリーチャレンジ 富士山すその [哀川翔/中谷篤] Resut:15th
・6月28日-29日 TGRラリーチャレンジ 渋川伊香保 [哀川翔/中谷篤] Result:10th
・7月5日-6日 XCRスプリントカップ ラリーカムイ [川畑真人/中谷篤] Result:5th
・8月8日-16日 アジアクロスカントリーラリー2025 [山崎元彰/中田昌美] Result:4th
・9月5日-7日 XCRスプリントカップ ラリー北海道 [川畑真人/中谷篤]
・以降未定